今年も留学生たちが外国語絵本の読み聞かせをしました!

安井 朱美
(国際日本語教育インスティテュート准教授、グローバル共生社会研究所研究員)

 2025年11月29日(土)に、日進市立図書館と名古屋外国語大学グローバル共生社会研究所との連携事業の一環として、日進市内在住の小学生を対象とした外国語絵本の読み聞かせイベントを日進市立図書館で行いました。当日は小学3年生から6年生までの子どもたち19名が参加してくれました。また、本学からはフランス、アメリカ、ニュージーランド、ポーランド、ウクライナ、台湾出身の留学生、計10名が参加しました。

 今回のイベントは「海外のお兄さん、お姉さんと遊ぼう!」をテーマに、フランス語母語話者と別の外国語母語話者(英語、ポーランド語、ウクライナ語、中国語)がペアとなり、5グループに分かれて実施しました。各グループに3~4名の子どもたちが入り、テーブルごとに交流を深めていきました。

 最初はテーブルに置かれた世界地図を眺めながら、留学生の出身国の場所や国旗、その国の有名なものなどについておしゃべりをし、緊張をほぐすところからスタートしました。続く読み聞かせタイムでは、1冊目はフランス語の絵本、2冊目はその他の外国語の絵本を、それぞれ15分ずつ、日本語も交えながら行いました。子どもたちが初めて触れる外国語の音や絵本に目と耳を輝かせていた姿がとても印象的でした。読み聞かせの後には、留学生が自国について出題する『世界の〇✖クイズ』を全員で楽しみ、最後はノートにさまざまな外国語の言葉を書く時間を設け、温かくにぎやかな雰囲気のなかイベントを締めくくりました。

 参加したご家庭からは嬉しい声が届きました。このイベントをきっかけに子どもが「世界の言葉」に興味を持ち、帰宅後すぐにタブレットで外国語の言葉を調べ、ノートにまとめていたそうです。また、別の保護者の方からは留学生が積極的に話しかけてくれたおかげで、内気なお子さんも楽しく時間を過ごせたという言葉をいただきました。一方、留学生の側からも「90分間、本当に楽しかった」「はじめは緊張していたけれど、子どもたちがかわいくて元気だったのでよかった」「母語でも日本語でも絵本が読めて、自国の文化も紹介できる貴重な機会だった」「好奇心いっぱいの子どもたちに刺激を受けた」など、多くの前向きな感想が寄せられました。

 次回は、子どもたちと留学生がさらに笑顔で交流し、もっと“世界”を身近に感じられるような工夫を取り入れ、より充実したイベントの実現を目指していきたいと思っています。今回の経験や参加者からいただいた温かい声を力に、これからも地域での国際交流の輪を広げていきます。